2015年11月01日

人気企画が3年ぶりに復活 「八王子と鉄道」展 市郷土資料館 by 東京新聞


八王子市の鉄道の歴史を写真パネルなどでたどり、鉄道関連の品々を展示する特別展「八王子と鉄道」が1日、市郷土資料館(上野町)で始まる。市内在住の鉄道資料収集家の協力で、ホームで使われた合図灯や機関士の制服、電車の表示板など約200点を展示する。入場無料で12月6日まで。 (村松権主麿)

 八王子では、一八八九(明治二十二)年にJR中央線の前身「甲武鉄道」が新宿−八王子間で開通した後、官設中央線が整備された。八高線、現在の横浜線と京王線といった路線も次々と開設され、八王子の商工業の発展を支えた。

 郷土資料館は二〇一二年、「八王子と鉄道」と題した二回の展示を行い、旧国鉄やJRを中心とする歴史と、京王など私鉄の歴史をたどった。それぞれ約二カ月の期間中、計一万一千人以上の市民や鉄道ファンが来場。各回千部ずつ発行した図録は終了前に完売し、再版の問い合わせが相次ぐ人気となった。

 続編となる今回の展示について中村明美学芸員(51)は「八王子の鉄道の歴史を振り返るだけでなく、駅で使われた道具や駅弁の包装紙なども展示し、鉄道ファンや一般市民が楽しめる企画にした」と説明する。

 一二年に続き、資料提供で協力したのは元JR職員の沼本忠次さん(68)。所有する約一万点の鉄道資料から、明治時代の鉄道を描いた絵図、駅員が切符を切った改札鋏(きょう)、夜間のホームで使われた古い合図灯などのコレクションが展示される。

 準備中の会場で沼本さんは「多くの人が鉄道の歴史を知り、昔を懐かしむきっかけになればうれしい。鉄道文化の継承につながれば」と話した。

 パネル展示では、甲武鉄道の開通のほか、新宿御苑の仮停車場から移築された高尾駅北口の駅舎、中央特快のあゆみなどを説明。車輪と接触する面がすり減った場合、天地を反転させて使う英国製「双頭レール」の現物展示もある。

 品切れになっていた図録は千部が増刷され、四百五十円で販売。午前九時〜午後五時。月曜休館だが祝日は開館し、翌日が休館となる。問い合わせは郷土資料館=電042(622)8939=へ。
◆記念入場券を無料配布 学芸員の展示解説も

 会期中の関連イベントとして、十一月十五、二十一、二十八、十二月六の各日、午前十一時と午後一時半から、各回先着二十五人限定で郷土資料館特製の記念入場券が配布される。切符の大きさで、刻印器を使って来館日時を印字し、改札鋏で切る体験もできる。

 入場券には、高尾駅に名称変更前の旧浅川駅時代に撮られた、寺社建築風の北口駅舎の白黒写真があしらわれている。十一月二十一日と十二月六日の午後二時からは、学芸員による約三十分の展示解説もある。いずれも無料。

posted by taiwank at 23:33| Comment(0) | 八王子ニュース
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